男性時短勤務の勧めが注目される背景
これまで日本では時短勤務は女性中心の制度と見られてきました。しかし近年は、男性も家庭や育児に積極的に参加する必要性が高まり、男性時短勤務の勧めが広がり始めています。
企業調査では時短制度の導入率は6割以上に達し、大企業では8割超が整備済みです。それにもかかわらず男性の利用率は1割未満で、制度は整っているのに活用が進まない現状があります。
背景には「職場に迷惑をかけるのでは」「昇進に不利になるのでは」といった懸念があり、文化的な壁も存在します。ただし、徐々に男性が育児や家事のために時短勤務を選ぶケースが増えており、社会的にも注目されています。
現に私も戦略的に時短勤務を利用し、希望する部署に行き、本業・副業・育児、すべて充実した日々を送っています。
男性が時短勤務を選ぶメリット
最大のメリットは家庭との時間を確保できることです。妻に偏りがちだった家事や育児を分担でき、家族で食卓を囲む、保育園のお迎えに行くといった日常が可能になります。
また、勤務時間が限られることで集中力が高まり生産性が上がるとの声もあります。単なる時短ではなく、効率的に成果を出す働き方につながります。
私も時短勤務をしてみて、時間を無駄に過ごさない意識や、割り切って行動してみるというマインドに変化していったと感じます。
今までは用意周到に準備して仕事に臨むことが多く、使うかどうか分からない資料作りや根回し、会議のための会議など、無駄と思える仕事が多かったですが、「いろいろ準備する前にとりあえずぶつけてみる」「自分がやる業務範囲と時間を適正に周囲に認知させる」ことを意識することで、生産性が上がったと感じます。
周囲からの見られ方を意識し過ぎている方は少し辛いかも知れませんが。
副業や起業に時間を活用する選択肢
時短勤務で確保した時間を副業や起業に充てることも有効です。短期的に収入は減少しますが、副業収入が軌道に乗れば本業の減収を補うだけでなく、トータル収入の増加も可能です。
さらに、リタイア後も続けられるスキルやビジネスを育てられるため、FIREを目指すうえでの武器にもなります。ただし、必ずしも収益が安定するとは限らないため、計画的に取り組む必要があります。
私の勤務先は今でこそ減っていると思いますが、以前いた開発部門や営業部門などのラインセクションは、際限なく働く職場環境だったため、家庭や副業などを考える余裕はありませんでした。(好きで長時間労働している人も一定数いると思いますが。)
収入面でのメリットとリスク
短期的には給与が減少します。勤務時間の割合に応じて給与が下がり、賞与や昇進への影響も考えられます。
一方、副業や起業が成功すれば収入源の多角化を実現でき、本業一本に依存しない安定性を得られます。「副業月収が数万円あるだけで、FIREに必要な資産額が数百万円規模で減る」という試算もあり、副業が資産形成を加速させる可能性があります。
ただし、収入が不安定になり資産形成が遅れるリスクもあり、リターンとリスクの見極めが重要です。
また、副業を認める会社であっても、時短勤務中は認められないことが多いと思います。確かに会社側からしたら、だったら働けって感じるとは思います。会社にバレないよう、税金や法人設立も適切に運営していくことが重要です。
家庭との両立における効果と課題
時短勤務は家族との時間を増やし、育児や家事を分担できる点で有効です。小さな子どもがいる家庭では、夫が早く帰宅して食事や入浴を担当することで家庭の安心感が高まります。ある調査では夫が時短勤務を活用した家庭の約8割で「夫婦関係が改善した」と報告されています。
一方で、確保した時間を副業に費やしすぎると家庭とのバランスを崩す恐れがあります。子どもの成長に関与できるかどうかも含め、家庭と副業の時間配分を明確にすることが不可欠です。
私の場合、土地探しを本格的にしているときは、勤務時間で片道1時間かかることもあり、往復の2時間+昼休み1時間で情報収集や関係者とのメール連絡、早朝2時間は通勤時に仕入れた土地情報で建築ボリューム検証や収支シミュレーションを行う、というルーティンを行います。
育児家事への影響も最小限にし、子供が起きている時間は基本的にPCやスマホはいじらないようにしています。
FIREとの関係性
男性時短勤務の勧めはサイドFIREやバリスタFIREと相性が良いです。
フルタイム勤務で高収入を維持するよりも、時短勤務で自由時間を確保しつつ副業や投資収益で補うことで、必要な資産額を減らせます。例えば月数万円でも副収入があれば、完全FIREに必要な資産額を大幅に縮小できます。
<月5万円×12ヶ月=年間60万円> = <資産1500万円×利回り4%=年間60万円>
時短勤務は「時間の自由」と「経済的自立」を同時に追求できる手段といえるでしょう。ただし、資産形成のスピードが落ちるリスクもあるため、本業・副業・投資のバランスをどう取るかが成功の鍵です。
男性時短勤務の勧めを実践するためのポイント
- 職場の理解を得ること:利用しやすくするために、上司や同僚と事前に調整する。
- 家庭と副業のルールを決めること:家族との時間を守るため、スケジュールを共有する。
- 副業の収益性を見極めること:低リスクのビジネスモデルから始める。
- FIRE計画を定期的に見直すこと:収入と支出の変化に応じて資産形成を調整する。
私のおすすめは、長期育休とセットで時短勤務を考えるということです。最後に取得した育休は、9月~翌年3月末、復帰を4月1日からにしました。
会社によるかも知れませんが、育休中に復帰後の働き方に関する希望を伝える機会があります。自分の上司でなく、直接人事へ伝えられるチャンスが生まれるのです。
そこで、時短勤務にする旨、現在の部署ではその働き方が叶う見込みがないので異動したい旨を強く伝えます。遠慮してはいけません。人事は育休前の自分の就業時間も当然知っています。
さらに、年度明けの復帰を狙うことで、人事としても異動させやすく、自分自身も他の異動者に紛れることで悪目立ちはしないよう立振る舞うことができます。
ただ、これは昇進する気もなく、会社では周囲の目も気にしないという割り切りが必要で、勇気がいります。私の勤務する会社は従業員数1000人を超える企業ですが、恐らく男性時短は私だけです。育休でトータル1年半もとった男性も私だけだと思います。
まとめ
男性時短勤務の勧めは、家庭との両立、副業や起業の可能性、そしてFIREへの道筋を開く新しい働き方です。短期的には給与減少というリスクがありますが、長期的には人生の自由度を高める投資と考えることができます。
実践するためには、職場・家庭・副業のバランスを戦略的に設計する心構えと勇気が必要です。男性が積極的に時短勤務を活用し、自分らしい働き方を築くことで、より豊かな人生を実現できると考えています。
女性活躍が叫ばれる昨今、男性の育児・家事への参加も賛同される流れです。当然、育児・家事も怠らず、それに加えて副業を行う時間を、育休や時短勤務を利用することで戦略的に獲得しましょう!
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