新築アパート業者との面談体験
会社員投資家向けに新築アパートを販売する業者へ数社資料請求を行い、そのうち1社(S社)と面談をしました。
プレゼンシートは予想より完成度が高く、東京都における賃貸ニーズの強さや、国税庁の給与統計を踏まえた家賃設定、世界的に見た東京の将来性など、都内投資の優位性を再認識する機会となりました。
提案物件の分析プロセス
S社の提案は、東京都というマクロ視点の後、エリアの人口動態や利便性、再開発計画といったミクロ視点での物件説明があり、その後に物件価格や想定収益など事業性能の説明へと進みます。
この流れは私自身が不動産営業で経験してきた進め方と似ており、業界全体のスタンダードと感じました。
資料の見せ方に潜む心理的効果
気になる点として、収支を説明する「プロジェクトシート」に利回りの記載がありません。
年間予定収入額が最も強調されており、年収が増えるイメージを強く与える作りになっていました。
まず良い情報を刷り込んで購入意欲を高めると、現実的な数字の説明も良いところしか見えにくくなります。
形式的には必要事項は記載されているものの、投資判断に必要な利回りを自分で計算しないと把握できない点は、親切さに欠ける印象です。
手離れの良さと購入動機
契約後は融資手配から建築、竣工後の運営(サブリース)まで全て業者が行うため、購入者はほとんど何もする必要がありません。
この手軽さは、不動産投資に不慣れな方が安心して購入できる要因の一つです。
気づき① 地価と利回りの関係
S社の物件は東京23区内でも江戸川区、葛飾区、足立区といった城東・城北エリアが中心です。
これらは地価が比較的低いものの、賃料相場への影響が少ないため、利回りを伸ばしやすい立地です。
地方から上京する単身者がターゲットであれば、立地に対するネガティブイメージはあまりなく、都心部への交通利便性や、最寄り駅周辺の生活利便性が確保されていれば、賃料を抑えられるエリアが人気となる。
気づき② 間取り設計の重要性
S社は様々な商品プランがありましたが、主力はワンルーム+ロフト付きと思われました。
私も単身時代にスキップフロア付きの1Kに住んだ経験がありますが、階段移動の煩わしさから短期間で退去しました。
入居初期はスペースが広がり、天井も高いので、魅力的に見えても、長期居住には向かない間取りもあるため、入居期間を見据えた設計が重要です。
極小プランで戸数を増やした方が、満室時の想定利回りは高くなるが、安定経営を目指すうえでは、バランスが大事だと認識しました。
気づき③ 融資期間がもたらす影響
S社では期間40年の提携ローンでシミュレーションが行われていました。
紹介された3物件では利回りが4.5~4.9%ながらも、長期間での融資のおかげでキャッシュフローを少ないながらも確保している見え方となっていました。
今後の融資戦略において、金利条件だけでなく、期間設定が投資収支に与える影響を改めて認識しました。
今後の展望
今回の検討を通じ、エリア選定、間取り設計、融資条件の3点が特に投資成果に直結することを再確認できました。
次回からは、実際の土地探し編として、条件に合う物件をどのように探していくのか、その具体的なプロセスを紹介していきます。
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